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Shopifyの定期購入・サブスクアプリ7選と事例を紹介

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日本のEC市場では、新規顧客の獲得コストが高騰し続けています。このような状況下で、一度きりの購入で終わらない、顧客と長期的な関係を築く「定期購入(サブスクリプション)」モデルの重要性が増しています。

定期購入は、安定した収益基盤を構築し、LTV(顧客生涯価値)を最大化するための強力な戦略です。この記事は、Shopifyで定期購入を始めたい日本の事業者様が、自社の事業フェーズや商材に最適なアプリを選び、確かな一歩を踏み出すための羅針盤となることを目指しています。

Shopifyで定期購入を導入する4つのメリット

Shopifyストアで定期購入モデルを導入することには、多くの具体的なメリットがあります。ここでは、特に重要な4つの利点を初心者にも分かりやすく解説します。

メリット1:売上の安定化とLTV(顧客生涯価値)の向上

定期購入は、毎月の売上が予測しやすくなる「ストック型」の収益構造をもたらします。これにより、短期的な売上の変動に一喜一憂することなく、安定した経営計画を立てることが可能になります。

また、一度きりの購入に比べ、顧客一人あたりの生涯売上(LTV)が数倍に達することも珍しくありません。LTVが向上することで、新規顧客一人を獲得するために投下できる広告費の上限も上がり、より積極的なマーケティング施策を展開できるようになります。

メリット2:リピート率(F2転換率)の劇的な改善

一般的なECサイトでは、初回購入客が2回目の購入に至る割合(F2転換率)は、平均して15%〜25%程度に留まるのが現実です。しかし、定期購入モデルでは初回購入時に継続が前提となるため、このF2転換率が平均でも40%以上に改善されます。

特に日本のD2Cで中心的な「化粧品・健康食品」カテゴリでは50%以上、「日用品・消耗品」では60%以上という高い転換率も期待でき、新規顧客獲得のマーケティング効率が大幅に向上し、事業の成長を加速させることができます。

メリット3:需要予測の精度向上と在庫リスクの軽減

定期購入モデルの大きな利点は、翌月の発送件数を事前にほぼ正確に把握できることです。これにより、商品の仕入れや製造計画が格段に立てやすくなります。

結果として、過剰在庫による保管コストの増大や、欠品による販売機会の損失といったリスクを最小限に抑えることが可能です。特に、賞味期限や使用期限がある食品や化粧品などの商材においては、廃棄ロスを削減できるため、直接的な利益率の改善に繋がります。

メリット4:顧客との継続的な関係構築

定期購入は、単に商品を定期的に届けるだけでなく、顧客との継続的な接点を生み出すための優れた仕組みです。毎月の商品発送時にニュースレターやサンプルを同梱したり、定期会員限定のメールマガジンを配信したりすることで、顧客とのコミュニケーションを深めることができます。

こうした継続的な関係性を通じて、関連商品の購入(クロスセル)や上位商品への切り替え(アップセル)を自然に促しやすく、顧客のファン化を強力に推進します。

【徹底比較】Shopify定期購入・サブスクリプションアプリ7選

ここでは、日本市場で利用可能なShopifyの主要な定期購入アプリを7つ厳選し、それぞれの特徴を詳しく解説します。自社の状況に最適なアプリを見つけるための参考にしてください。

かんたんサブスク

かんたんサブスク」は、その名の通り「導入の簡単さ」と「低コスト」を最大の武器とする、日本製のアプリです。最大の魅力は、月額0ドルのスタータープランが用意されており、決済手数料のみで始められる点です。これから初めて定期購入を試す事業者にとって、固定費のリスクを負うことなくスモールスタートを切れるのは大きな安心材料と言えるでしょう。

導入プロセスは日本語で完結し、特にOnline Store 2.0対応テーマであれば、専門的なコード編集を行うことなく、ドラッグ&ドロップの直感的な操作だけで設定が完了する手軽さも評価されています。機能面では、単品商品を定期的に届ける「単品リピート通販」に特化しており、複数の商品を組み合わせるBox機能などはありません。

総じて、高機能な海外アプリの複雑さやコストを避け、まずはシンプルに単品商品の定期販売を試したい事業者にとって、最もリスクの低い選択肢と言えるでしょう。

Mikawaya Subscription

「Mikawaya Subscription」は、開発会社自身もD2C事業を運営する中で得た知見を元に作られた、マーケティング機能に強みを持つ日本製のアプリです。このアプリの真価は、単なる注文作成ツールに留まらない点にあります。例えば、顧客がマイページで解約しようとすると、特別なクーポンを提示して引き留める「解約防止機能」や、購入回数が増えるほど割引率がアップする「段階的割引」など、LTV向上に直結する機能が豊富に搭載されています。

導入プロセスは日本語で完結し、国内のShopifyパートナーによる手厚いサポートも期待できます。特に日本の事業者から絶大な支持を得ているのが、その手厚い日本語サポートです。機能面だけでなく、運用に関する相談にも親身に対応してくれるため、ブランディングや上質な顧客体験を重視する本格的なD2Cブランドにとって、心強いパートナーとなるでしょう。

定期購買

「定期購買」は、長年の実績を持つ、日本の定期通販の商習慣を深く理解した機能が充実している日本製の定番アプリです。多くの事業者が「かゆい所に手が届く」と評価する機能群が特徴で、例えば「毎月25日にお届け」といった日付固定の配送設定や、購入金額や回数に応じて特典が変わる本格的な「会員ランク機能」を標準で搭載しています。

特にユニークなのが、顧客が次回の配送をスキップする代わりに、その商品を友人や家族に贈ることができる「ギフト機能」です。これは売上の機会損失を防ぎつつ、新規顧客獲得のきっかけにもなり得ます。導入プロセスは日本語で完結し、オンラインミーティングによる丁寧な導入サポートにも定評があるため、日本の伝統的な通販モデルをShopifyで本格的に構築したい事業者に最適なアプリです。

Go Sub

「Go Sub」は、日本のShopify Plusパートナーが開発した、コストパフォーマンスに優れた日本製のアプリです。このアプリの際立った特徴は、月額39ドルのプランから「決済手数料が0%」になる点にあります。多くのアプリが売上に応じた手数料を課す中、固定費だけで運用できるため、売上が増えれば増えるほどそのメリットは大きくなります。

また、「まとめ払い機能」という独自の機能も強力です。これは数ヶ月分の料金を前払いで受け取ることで割引を適用するもので、事業者にとってはキャッシュフローの改善に、顧客にとっては支払いの手間削減と割引メリットに繋がります。導入プロセスは日本語で完結し、手厚いサポートも期待できます。これにより、月商が数十万円を超え、取引手数料が無視できなくなった成長期のストアにとって、海外の高機能アプリに移行する前に検討すべき、極めてコスト効率の高い選択肢となります。

BOLD Subscriptions App

「BOLD Subscriptions App」は、世界的に有名なカナダ製の高機能アプリです。その真価は単体で使うのではなく、「Bold Upsell」や「Bold Bundles」といった同社製アプリ群とのエコシステム連携によって発揮されます。複数のアプリが一体となって機能し、アップセルやクロスセルを自動化することで、顧客単価とLTVを最大化するよう設計されているのです。

ただし、日本市場で利用する際にはいくつかの注意が必要です。管理画面は全て英語であり、顧客向けの表示を日本語化するにはテーマのコード編集が必須となります。また、日本の通販で一般的な細かな配送日時指定には標準で対応していません。そのため、このアプリを最大限に活用するには、専門知識を持つ開発者が社内にいるか、信頼できる外部パートナーと連携できる、技術的なリソースが豊富な中〜大規模ストア向けの選択肢となります。

Recharge

「Recharge」は、世界で最も利用されているShopifyサブスクリプションアプリの王様とも言える存在です。その圧倒的な機能の豊富さと、API連携による高い拡張性が最大の強みであり、グローバルで大規模なビジネスを展開する多くの有名ブランドに採用されています。しかし、日本での利用には高いハードルが伴います。まず、料金が月額99ドルに加えて「売上の1.25% + 19セント」の取引手数料がかかる高コストな点。そして、管理画面やサポートが全て英語であるため、運用には相応の語学力と技術知識が求められます。

また、コンビニ決済には対応しておらず、日本の改正特定商取引法に対応するためには表示設定に細心の注意を払う必要があります。その機能性を100%引き出すには、アプリの月額費用に加え、日本語化と日本の商習慣に適合させるための「開発・運用コスト」という目に見えない投資が不可欠です。

Shopify Subscriptions

「Shopify Subscriptions」は、Shopify公式が提供する完全無料のアプリです。月額費用も追加の決済手数料も一切かからないため、まずはコストをかけずに定期購入というモデルを試してみたい事業者にとって、これ以上ない「最初の一歩」となります。

導入も非常に簡単で、Shopifyの管理画面内で設定が完結します。その一方で機能は非常にシンプルであり、日本の本格的な定期通販で求められる「配送日時指定」や、「初回限定割引」のような複雑な割引設定はできません。決済方法もクレジットカード以外にはほとんど対応していないため、顧客層が限定される可能性があります。

ただし、このコストの不在は、日本の顧客が期待する配送日時指定や柔軟な割引設定といった『顧客体験の質』との直接的なトレードオフになります。また、日本の改正特定商取引法で求められる表示義務を標準のチェックアウト画面で満たすには工夫が必要なため、法規制への注意深い対応が求められます。

まとめ

ここまで7つのアプリを紹介してきましたが、「全ての事業者にとって完璧なアプリ」というものは存在しません。最適な選択は、自社の事業フェーズ(これから始めるのか、拡大期なのか)、取り扱う商材の特性、予算、そして技術的な知識レベルによって大きく変わります。

まずはリスクを抑えて始めたい小規模ストアであれば、Shopify純正アプリや低コストな日本製アプリから。そして、本格的にマーケティングを仕掛け、LTVを最大化したいフェーズになれば、高機能な日本製アプリへとステップアップしていくのが良いでしょう。事業の成長に合わせてアプリを見直す視点が重要です。この記事が、あなたのストアの安定した成長を実現するための一助となることを心から願っています。